有識者からのインタビュー Interview

創造する人間に育てる

おもちゃ屋さんに行くと子どもたちの気を引く完成されたおもちゃ、愉快にさせるおもちゃ、簡単な操作で動くおもちゃが並んでいます。

このようなおもちゃから得られる体験は、「努力しなくても簡単に愉快になれる」。逆に、シンプルなおもちゃでは、工夫し、手を動かし、どうやったら願うものが作れるか試行錯誤する必要があります。このようなシンプルなおもちゃから得られる体験は『努力して遊ぶ達成感』『上手くいかない事もある体験』が得られます。小さい頃の遊びを通した体験は、大人になってからの人生への向き合い方に通じていきます。

子どもが、木のおもちゃを積むとき、重力にかなった形でなければ崩れてしまいます。こうして身体感覚で、重力を学びます。バランス感覚も研ぎ澄まされていきます。木のおもちゃでは、様々な木目、様々な重さ、様々な感触を体験することができます。9歳になるまでの子どもたちには、できるだけ、多様な感触のある、重力とのバランスを体験できるおもちゃを与えたいものです。つなぎ目がカチッと合うように作られたブロックは、知覚器官が完成した9歳を過ぎてから与えるのが、望ましいと言えます。腕の筋肉を強めるのと同じように、創造できるおもちゃで遊ぶ事は、脳を形成し、生き生きと創造的な仕事ができる人間をはぐくみます。

口から入る栄養が食べ物であれば、おもちゃは、遊びから入る身体と心の栄養です。創造する人間に育てるために、自然な良質のおもちゃで、遊ぶ時間をたっぷり与えましょう。

森尾 敦子

森尾 敦子

Profile ドイツ シュタイナー幼稚園教員養成所卒。横浜シュタイナーこどもの園創立。現在、長野県北安曇郡松川村にて一般社団法人シュタイナー療育センター代表理事を務める。光こども園(児童発達支援センター・放課後等デイサービス・保育所等訪問支援)、森の工房(就労継続B型・生活介護)、くるみの家(共同生活援助・短期入所)、星の光(企業主導型保育園)以上4拠点を、法人が運営している。
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