有識者からのインタビュー Interview

「遊びの価値」と「安全」の両立を目指す
あそび場であるために

「創・造・冒・険」は、子どもたちに豊かな遊びを提供するために、安全と楽しさのバランスを大切なテーマとしました。子どもたちに、失敗させたくない、ましてや、ケガのリスクがあることは極力避けなければ、と大人は思いがちです。しかし、遊びというシーンでは、一概に安全であれば良いというわけにはいきません。高い所へ登ったり、大きく揺らしたりと、危険性の内在する行為を行うことにより成り立ち、また、それが子どもたちにとっての楽しさや達成感でもあります。つまり、リスクも善でありむしろ必要とされるというのが「遊び」の本質であり「遊びの価値」でもあります。

「創・造・冒・険」は、「遊びの価値」に見合うだけのリスクを残しつつ、そのリスクを、利用される方々ときちんと共有することを目指しています。そのための具体的な取組みとして英国で用いられているリスク・ベネフィットアセスメントを援用しています。これは、リスクを「良い結果」や「悪い結果」のいずれかが起きる不確実性ととらえ、その両方を記述式に列挙していきます。つまり、ケガなどの「悪い結果」が起こりうる可能性と、「遊びの価値」に当たる子どもの身体的・精神的成長等の「良い結果」(便益=ベネフィット)を可視化するということです。

保護者のみなさまも、「創・造・冒・険」のリスクとベネフィットをご理解いただき、子どもが生来の好奇心や探求心で、目を輝かせ、心を解き放ち、夢中になって遊ぶことができる場づくりに一緒になってご参加ください。危なっかしい我が子にハラハラしつつも、嬉々として遊ぶ姿、何度も何度もチャレンジする姿を「ちゃんと見守る」ことができる親力を鍛えることは、親としての成熟にも通じ、親子のいい関係づくりの基礎となっていくはずです。ここが、子どもたちと親たちの育ちの場となることを願っています。

松野 敬子

松野 敬子

Profile 2015年 関西大学大学院博士課程修了し博士号取得(学術/社会安全分野)。 専門は子どものリスクマネジメント。神戸常盤大学教育学部こども教育学科非常勤講師。一般社団法人いんふぁんとroomさくらんぼ代表理事。 著書:『子どもの遊び場のリスクマネジメント』(2015)ミネルヴァ書房、『遊具の事故防止マニュアル』(2006)かもがわ書店
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