有識者からのインタビュー Interview

子どもたちの世界は、いつもいきいきとして新鮮で
驚きと感激に満ちている

私たちは森に行ったときや新築の木造建築の家に入ったとき、思わず「いい気持ち!」「いい匂い!」と声をあげます。目が疲れたら緑の木を見ると休まるとも言われています。子どもたちは、森の中でいきいきとして木登りをしたり落ち葉の中へもぐりこんだり、いろいろな遊びを考えだします。 それは、私たちの遠い祖先は、五百万年前に草原に出て来て二足歩行をするようになるまで七千万年ものあいだ森に暮らしていたので、私たちの遺伝子には『緑の記憶』が刷り込まれているからだということを聞いたことがあります。私は、それを聞いたときとても嬉しくなりました。自分が森の住人になったように思えたからです。

最近の子どもには「さんま」がないと言われています。「さんま」とはお魚の「秋刀魚」ではなく、時間、仲間、空間のことです。都市化が進むにつれてその傾向はますます大きくなっています。すべての子どもが自然のなかで遊べない状況の中で、屋内で森あそびを体験できるこの空間は魅力的です。いろいろな形の木から子どもたちは森を想像し、温もりを感じ、さまざまな遊びを工夫し創造するでしょう。

“子どもたちが出会う事実のひとつひとつが、やがて知識や知恵を生み出す種子だとしたら、さまざまな情緒や豊かな感受性は、この種子をはぐくむ肥沃な土壌です。幼い子ども時代はこの土壌を耕すときです”(レイチェル・カーソン「センス・オブ・ワンダー」新潮社)

上遠 恵子

上遠 恵子

Profile 1929年東京生まれ。東京薬科大学卒業。東京大学農学部農芸化学科研究室勤務。学会誌編集者。現在、レイチェル・カーソン日本協会会長。エッセイスト。「沈黙の春」に触発されてレイチェル・カーソンの研究をライフワークとする。「センス・オブ・ワンダー」(新潮社)の翻訳をはじめ、レイチェル・カーソンに関する翻訳及び著書の出版多数。
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